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うさみみ出張所

創作専用  気が向いた時に、適当に、色々と。

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特撮の次はまさかの『ONE PIECE』です。
ロビンちゃんが昔を振り返ってる話。
っても、コレはプロローグみたいなモンで、次の話が本命です。
終りの方でゾロが絡んできます。
ゾロを選んだのは「ゾロロビが好きだから」という理由ではなく、消去法です(笑)。ホントに。
書き上げてから、試しにサンジverも書いたくらいだもの。
まあでも、「ゾロロビですよね?」と聞かれれば「そうですね」とは答える。
あと、ワンピ世界の理解度はちょっと低いので、何か間違ってたらすみません。平にご容赦を。
あと、すげ色々勝手に設定しているので、その辺が許容できない方は回れ右がよろしいかと思われます。

※ 読む上での注意事項
強調したい箇所の上に「、」を振りたかったが、どー頑張っても出来ないので、苦肉の策で、振りたかった部分を太字にしました。不思議な太字はコレだと思ってくださいorz
  
以上を踏まえ、興味を持たれた方は、「読んでみる」からお願いします。

陽が傾いてきた頃、ロビンは階段を登り、甲板に出てきた。
ゆっくりと太陽の方に向かって足を進め、羊を模した船首に近い船縁で止まった。
今、船には他に誰もいない。各々の理由で、停泊しているこの島の街に赴いている。船から街がだいぶ離れている為、今夜は皆宿に泊まって戻らない。だからこそロビンは船番を買って出た。
ロビンは少しくすんだ白い手摺りに手をかけた。そして瞳を閉じ、大きく息を吸って、吐き出した。
それが合図だったように脳内のスイッチが切り替わり、ロビンの脳裏に二十年前の光景が甦る。
短くない時が過ぎた今でも、細部まで鮮明に思い出せる悪夢。
一日して膨大な数の人間の命を奪い、ロビンの人生を大きく変えた出来事。
「正義」の名のもと、世界政府が行った惨劇。
オハラの消滅。
 
博士と考古学者の皆。
サウロ。
お母さん。
幼きロビンが大切に思っていた彼らの顔が次々浮かび、ロビンの表情に苦悶が走る。
彼らは皆、自分を逃がそうとしてくれた。そのおかげで、今ロビンはこうして生きている。
彼らの犠牲はまだ無駄にはなっていない。
母が望んだ「生きろ」という願いは、今もロビンの胸の中で響き続けている。
 
普通の人になら大して難しくはない「生きる」ということが、8歳にして7900万の懸賞金をかけられた幼きロビンには困難を極めた。
世間に混じろうとしても、高額の懸賞金が邪魔をする。
最初から指を指されるなら、近寄らず逃げればいい。むしろ判りやすくて助かる。だが、親切ごかして接してくる大人には何度も騙された。逃亡を続けていると、ささやかな人の親切が骨身にしみる。
初めて裏切られた時は衝撃だった。勉強はできても、そこはまだ8歳。人間の本性というものはまだ知らない年齢だったのだ。
今度は信じられそうという思いを何度もへし折られるうち、ロビンを油断させるための偽りの優しさを生き延びるための手段として捉えるようになり、己が売られそうになる寸前に逃亡することが巧くなっていった。
ロビンに裏切りを教えたのは、裏の世界ではなかった。
日の当たる世界に絶望した時、ロビンは腹を括った。
悪魔の実の能力があるとはいえ、幼き少女が単身で裏の世界に踏み込んでいくのは、並大抵のことではない。
日向の世界にいた頃は、どんなにひもじくても食べ物を盗んだことすらない。「軍艦を6隻沈めたオハラの悪魔」が窃盗すらしないことを不思議がる大人は誰一人としていなかったが。そんなロビンが、殺人すらも厭わない裏の世界に足を踏み入れるのに、どれだけの覚悟が必要だったか。
――「生きる」為には、他に選択肢がなかったわ。他人の命を奪ってでも、「生きる」。母の最期の望みの為に。
ロビンは自嘲気味に笑う。それに反して、手は震えるほど強く船の手摺りを掴んでいた。
いっそ死んでしまえば楽だった。オハラで母と一緒に逝けるなら、それで全く構わなかった。
だが、「生きろ」と云われては、死を選べない。必死に回避することはないけれど、死が自分を飲み込もうとしていたら、抵抗せず受け入れようとしたことは何度かある。なのに、その度に何故か世界に戻されてしまう。
死からも忌み嫌われているのか。私を生かしてどうしようというのだろう。
自問しても答えはない。
ただ、ロビンは『真の歴史の本文』を追い求めるのみ。
 
まだ少女だったロビンが日面の世界と決別した際、もう後ろは振り返らないと決めた。
それまでは頻繁に過去に思いを馳せていた。大好きだった人たちのことを。
一人で夜を迎える時。手痛い裏切りを受けた時。寂しくて辛い時は彼女らを思い出し、「会いたい」と一人泣いていた。それは、心の片隅で彼女らの生存を祈っていたからだ。あの集中砲火の中でも、(手助けされたとは云え)逃げ出せた自分がいるのだから、何らかの手段で生き残っている可能性があるのではないか、と。
あの頃は、何も知らないかわいい子供だったわ、とロビンは口元を歪める。いっそそれをずっと信じていられれば良かった。そうしたら――。
ロビンは一度ゆっくりと瞬きをした。涙が一筋零れる。
オハラの情報をかき集めれば集めるほど、他の生存者は絶望的だと悟っていった。世間では、世界政府が考古学者たちを処刑したとだけ流布していたが、アンダーグラウンドでは真実に肉薄した噂がかなり密やかに囁かれていた。バスターコールの非情さは、その噂は明るみにしてはいけない類のものだと口止めするのにも役立った。
オハラを包囲していた海軍がそこから脱出したのはロビン一人だったと断言していたこと、焼け野原となったオハラに命あるものは何もなく、損傷の激しい数名の考古学者らしき人間の遺体が発見できたと報告していたこと、そのふたつのを盗み聞き、ロビンの希望は完全に絶たれた。
もう誰にも会えない。
そんな苦しい結論を出した幼きロビンは、慟哭した。心の支えがなくなった。散々泣いて泣きつくして、逃げながらも泣いて、泣きつかれて寝て、瞼が重くても構わず泣いて、もう喉がカラカラになり、嗚咽よりも咳が止まらなくなり、水を求めて小川に着いて、喉を潤した後、大の字に転がったロビンは、未だしゃくり上げながら、空を見上げた。
皆に合わせる顔がなくても問題ないのならば。
賞金首らしく、裏の世界で生きていこう。適当な組織に所属すれば、自分の欲するものが手に入るだろう。
この世界にいたままでは、何ひとつ手に入らないから。
 
裏の世界に仲間入りするに伴い、幼きロビンはひとつ自分を律することにした。
過去は振り返らない。
闇の中を進んでいくなら、もう振り返ったところでいいことはひとつもない。
大好きだった人たちを思い出すことは、この世界で生きていくのに躊躇をさせるだろう。一瞬の躊躇が命取りになる世界だ。「生きる」なら、それは邪魔だ。
それに、自分の意思だろうが他人の命令だろうが、しでかしてしまったことを悔やんでもどうにもならない。己の手がどれだけ多くの人間の血を流そうとも、流してしまった後では元に戻すことは出来ないのだから。振り返れば後悔してしまう。ならば、振り返らなければいい。背後に、どんなに高い屍の山ができようが、気にしなければ良いのだ。
ここは、そういう世界なのだ。
そして、ロビンは実際、そうしてきた。
感情なく命令に従い、後は顧みない。
「自分」を保つために。
二十年間、ずっと。
 
海風が強く吹き、ロビンの黒髪を弄った。
海面にかなり近付き、赤くなった大きな夕日がロビンの感情を揺さぶる。
過去は振り返らないと誓ったロビンが、今、過去を振り返っている
どうしても。
心臓がドクンと跳ねたロビンは口を右手で押さえた。
どうしても、この日だけは。
左手は胸の辺りで服をぎゅっと握っている。
大好きだった人たちの、最期に見た姿。
初めて己の手で人を殺した時の、あの感触。彼だけではない。自ら手を下した人のことは、誰一人忘れていない。
着いた島で略奪を繰り返す組織を横目で見ながら歩いた。足にすがりついて助けを求める人を見殺したこともあった。
大勢の人たちが死んでいくのをただ上から見下ろすだけの時は、心の中で一度だけ祈った。一人でも多く生き残るようにと。その為に、自分は何も出来ないが。
・・・・捕らわれる。
今まで気にしてこなかった背後を、何があるか判っているから目を逸らし続けていた背後を、壊れかけのロボットのようなぎこちない所作で、ゆっくりと振り返れば、多くの白い手が誘うように揺れている。
幼き自分が大好きだった人たちの手。
己が殺してきた人たちの手。
見殺しにしてきた、多くの人たちの手。
積み重ねてきた罪に飲み込まれる。
「っああああああ・・・・っ」
膝を付き、ロビンは号泣する。涙がぼたぼたと甲板に落ち、口からは咆哮のような叫びが耐えることなく搾り出される。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
それは誰に向けてのものなのか。
呪文のように繰り返し謝罪を続けるロビンの慟哭は終わらない。
 
日は完全に沈み、辺りはとっぷりと暗くなった。満月に近いぷっくりとした月が仄かに照らしている。
甲板に立ち、海風を正面から受けるロビンに、先程の振り乱して泣いていた面影は微塵もなく、いつものように背筋を伸ばして立っている。
遠くを見つめる瞳には、もう過去は映らない。
だが。
ちょうど二十年前のこの日に亡くなった母に問いたい。
私が、人の命を奪いながらも生きていることを肯定できるのか、と。
私が、あの日以後、世界政府と同じようなことをしながら生きていくと知っていたら、それでも私を逃がそうとしたのか、それとも、貴女と共に逝くのを許してくれたのか、と。
最期の願いの通り、私はずっと「生きて」きた。
何をしようとも、自ら死を選ぶことだけはせず、ずっと。
解ってる。
己が死ぬ事は、オハラが滅びる事。空白の百年が、もしかしたらずっと空白のままでいることになるかもしれないということ。
私にしか出来ない事があるのにそれを投げ出して、オハラの皆が、母が、まさに命がけで研究していた『歴史の本文』を解読するのを諦めて、皆が一生懸命生かそうとしてくれた気持ちを踏みにじり、死を選ぶだなんて――。
ロビンの胸がきりりと痛む。ロビンは唇を噛み締めた。
「生きて」。
その言葉は、私の支えなのか。
それとも――呪縛なのか。
 
「ああ、いやだわ」
たっぷり10分は経ってから、ロビンは大きく頭を振って、切り替えた。
私には、『真の歴史の本文』を求める夢がある。
だから、生きているのは自分の意思。
支えも、呪縛も、ない。
「懺悔の時間は終わりね」
そう云って、今年も「懺悔」と云いつつも誰にも聞かせることもなかった悔悟の思いに蓋をした。また来年まで開かれることはないだろう。
食欲はないが、優秀なコックが作り置いてくれた食事に手をつけないでいたら、心配されるだろう。
軽めのものをリクエストしたから、量は多くないはずだ。
出来る限りはお腹に仕舞おう、と思いながら、ロビンはラウンジに向かって歩き出した。
 
「!」
ラウンジの窓から仄かに明かりが漏れている。
気付かなかった!! 誰!?
足音を立てず、素早くラウンジのドアに走り寄った。身を潜め、中にハナの目を咲かせる。
肩の力を抜いたロビンはゆっくりとドアを開けた。
「盗み食いすると、後でコックさんに怒られるわよ、剣士さん」
扉の中を物色している緑の頭に声をかけると、ゆっくりと立ち上がった。手にはチーズの塊を持ち、もぐもぐしている。
「腹が減ってんだから、しょうがねェだろ」
と云って、ゾロは口を開け、チーズを全て口の中に放り込んだ。
ロビンは苦笑し、テーブルの上のメモを一瞥してから、冷蔵庫に向かった。中から自分の夕食を取り出す。
「良かったら、これをどうぞ。私はあまり食欲がないの」
スープもあるそうよ、と付け加えながら差し出すと、ゾロは一瞬ロビンを射抜くように見返してから「悪ィな」と受け取った。
「だけど、いつ戻ってきてたの? 全然気がつかなかったわ」
本来なら宿に泊まるはずだが、まあゾロのことだから、道を間違え戻ってきてしまったのだろう、と理由には見当がつく。だが。
「・・・・さっきだ」
サンドイッチを口に運びながら、素っ気無く答えるゾロ。
「そう・・・・・・」
ロビンは少し腑に落ちない顔をしながらも、一応は納得した。
「私は部屋に戻るわね。少し早いけど、お休みなさい、剣士さん」
と云って、ロビンはドアに向かう。扉に手をかけたところで、「おい」と声をかけられた。
「いい酒が手に入った。付き合え」
ゾロは振り返ったロビンに瓶を揺すって見せた。
ロビンはゾロを見つめた。
ゾロもロビンを見返す。
互いの、どこか探るような視線が絡む。
「――頂くわ」
ロビンは頷いた。
 
ゾロが酒瓶と樽を模したジョッキふたつを手にラウンジを出たので、ロビンも後に続く。
出てすぐゾロは壁を背に腰を下ろした。ロビンも少し考えてから、一人分くらいのスペースを空けて座る。
封を切り、とくとくとジョッキに注ぎ、ひとつをロビンに寄こした。「ありがとう」と受け取る。
ゾロは何も云わず飲み始めた。
その様子を横目で見てから、ロビンも口を付けた。
いい酒だと云うだけあって、すっきりとした飲み口で、フルーティな良い香りがする。美味しい。
しばらく無言のまま二人はジョッキを傾けていた。
一杯目を半分ほど飲んだところで、ロビンは夜空を見上げているゾロを見ずに声をかけた。
「――何も聞かないのね」
「聞きたくねェ」
ゾロはロビンに目をやる事すらなく一刀両断した。
「アハハハハ」ロビンは思わず声をあげて笑った。「そこまでばっさり切り捨てられるとは思わなかったわ」
ゾロは笑うロビンに構わず、ごくりと一口飲んだ。そして彼女に顔を向けた。眉間に皺を寄せ、難しい顔をして。
「・・・・聞いてほしいのか?」
ロビンは笑うのをやめ、ゆっくりと彼の方を向く。黒髪がパラパラと揺れる。
二人の視線がぶつかった。
「いいえ」ロビンの唇が弧を描く。「私も同じよ、剣士さん。――云いたくない」
ならいいじゃねェかと口を尖らせたゾロはロビンから視線を外し、ジョッキを呷った。
ロビンも一口嚥下する。
話す気もないのに水を向けたのは、ゾロがいつ戻ってきたのかを見極めるためだ。
もし本当に「さっき」戻ったのであれば、海を眺めていたロビンを見たことになる。ならばロビンが今した「何も聞かないのか」という問いの、意味が判らないはずだ。海を――遠くを見ることは誰でもする。ぼーっとしている時もあれば、置いてきた過去やいつか夢を掴む未来、そして今の自分の未熟さに思いを馳せる時もある。海を見ることは特別なことではない。まして、一人で見張りをしている時などは。だから、そんな仲間を見ても、問うことはない。
「何も聞かないのか」に対して、「聞きたくない」と返したということは、ロビンに何かあったらしいこと――ロビンが泣いていたことを知っているからだ。だが、声をかけず、尚且つその時はいなかった振りをしたのだ。
賢明な判断だわ。
ロビンは手酌するゾロを盗み見た。
全てを背負い込むくらいの覚悟がなければ、安易に他人のことに首を突っ込むべきではない。それをよく判っているわ。
ロビンはまた一口飲む。
でも、こうしてお酒に誘い、付き合ってくれている。全然知らない振りも出来たでしょうに。
少し離れた隣で、ゆっくりとジョッキを傾けるゾロの横顔を見た。
普段は浴びるように飲むのに、今はロビンに付き合うかのようなかなりのスローペースだ。
それを指摘したら、「いい酒だから一気に飲んだら勿体無い」とでも誤魔化すんでしょうね。意外に、と云っては失礼だけど、本当、優しい剣士さんだわ。
「・・なんだよ?」
見られていたことに気付き、不機嫌そうにゾロは問う。
ロビンはにっこりと笑った。
「もう一杯頂いてもいいかしら」
ゾロは無言で瓶を差し出した。とくとくと注がれる液体をロビンは受け止める。
この日にこうして誰かと飲むのは初めてだった。
もっと若かった頃は、懺悔からの切り替えが巧く行かず、酒場で一人杯を傾けることはままあった。だが、カウンターで一人物憂げにしている美人を男が放っておくはずがなく、ひっきりなしに声をかけられ、結局不快な思いをして酒場を出るのが常だった。だから飲みたくなったら、誰もいない所で一人グラスを傾けた。それもここ数年はめっきりなくなっていた。
誰とも顔を合わせたくないと、ずっと思っていたけれど。
大切な人たちを失った日に、優しい誰かが傍にいるって・・救われるわ。
そんなことを考え、フフと少し笑いながらジョッキに口を付けた。ゾロがちらとロビンを見たが、何も云わず自分のジョッキを傾けた。
 
「もうねェな」
ゾロは瓶を逆さまにして振ってみたが、雫がぽたぽた垂れるだけだった。
ロビンはジョッキに少し残っていた酒を飲み干した。
結局ロビンは二杯しか飲まず、殆どはゾロの腹に収まった。
「まだ飲むか?」
「私はもういいわ」
と云ってロビンは空のジョッキを手に立ち上がった。
「おいしいお酒をごちそうさま、剣士さん」
呼ばれても特にロビンの方は見ずに「ああ」と答える。
ロビンはすぐ傍のラウンジへの扉を開き、中に入る直前、緑の頭を見下ろした。
「ありがとう」
口の中で呟いた言葉が届いたのか。
ゾロのピアスが微かな音を立てた。
 
それから半月後。
次の島では三日でログが溜まったので、今朝方出航したばかりだ。
波は穏やかで気候も今の所安定している。皆、ぐっすりと眠りについているだろう。
ロビンは後甲板に向かった。見張り台にはいなかったから、そこだろう。
歩みを進めるにつれ、数を数える声が聞こえてくる。
それが途切れ、重い音がした後、ロビンは顔を出した。
「今晩は、剣士さん」
「――何か用か?」
タオルで汗を拭きながら素っ気無く尋ねるゾロ。傍には大きなダンベルが転がっている。
「このあいだのお返しを持ってきたのよ」
ロビンは酒瓶を見せた。「どうぞ」と押し付けるように手渡す。
「こないだ?」
ゾロは訝しがりながらも受け取り、ラベルを見て声をあげた。
「おい、こりゃあ――」
聞いたことはあるが今まで見たことはない幻の酒。なかなか入手できないから、値段もバカ高いはずだ。それを――。
ロビンに目を遣ると、にこにこと笑っている。
「喜んでもらえて良かったわ。それじゃあ。トレーニングの邪魔をしてごめんなさい」
踵を返して去ろうとする背中に、ゾロは声をかけた。
「おい」
ロビンは振り返る。「何かしら?」
「飲んでかねェのか?」
と不思議そうなゾロに、ロビンは少し目を丸くしてから、表情を緩めた。
「コップを取ってくるわ」
ロビンは嬉しそうに足早にキッチンへ向かう。
 
                                                     終
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
すいません。ワンピ、判らないことが多すぎました。何か間違ってたらすいません。あれはコップですか。コップ扱いにして良かったのですか。あと記憶を頼りに書きました。絶対どこか間違ってる。そんな気がする。

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